会社員時代を振り返ってみたら、自分が壊れる前に辞めるか休職しないとダメだなっていう結論しか出てこない
現在オーストラリアにワーホリ中のキラクです。
今はまだ語学学校に通っていますが、数か月後には仕事を見つけて働かなければなりません。いやだなぁ…。
働くのは、1年ぶりくらいでしょうか。留学前は10か月ほどニート生活を送っており、株の利益と失業保険で生活していました。
上記のとおり、ここ1年ほどは気楽に生活しているのですが、それ以前はいわゆるハードワーカー(社畜とも)というやつで、朝から朝まで仕事仕事の毎日でした。
ワーホリ中はどうやって仕事を探すんだろう、などと考えることが多くなったためか、自分が会社員だったころの事を思い出してしまいました。
そこで今日は、自分が会社員だったころの生活を振り返り、どんな感じだったのか、なぜ会社を辞めたのか、と言う事をちょっと書いてみようと思います。
けっこう長いですよ。
では、行きます。
- 当時は意識高い系だった
- 忙しい時は50連勤
- 上司の衝撃的な発言(その1)
- 上司の衝撃的な発言(その2)
- 先輩や後輩が鬱になる
- それでもやりがいはあるし楽しかった
- では、なぜ辞めたのか
- 辞めたことを後悔しているか
- まとめ
当時は意識高い系だった
気楽に生きることを人生の目標にしている割に、僕が以前勤めていた会社は、いわゆる激務な会社として業界でも有名でした。そして、それを分かったうえで入社しました。
なぜなら当時は
20代は仕事やろ!20代で楽してたら将来いけてるビジネスマンになれへん!休みなんか取らずに兎にも角にも仕事じゃ!
という感じの人間だったからです。懐かしい。
以降の記事では、僕がどんな感じの生活を送っていたのか、どんな事を考えていたのかということを簡単に振り返ってみます。
忙しい時は50連勤
僕は理系の大学院を卒業しており、技術職としてその会社に入社しました。
その業界では、一人前になるのに最低でも10年はかかると言われていたため、入社直後は「最初は上司や先輩のフォローをしながら長期的に学んでいく感じなのかな?」と軽く考えていたのですが、決して全くそんなことはありませんでした。1年目からもう、バリバリです。
具体的に説明するのは難しいですが、イメージとしては、上司と僕の二人で、仕事を完全に半分こする感じです。1億円の仕事だとすると、5000万円分は僕が全てやる!という感じですね。
当時はプロジェクトごとに2~3人で動いており、上司は複数の業務を抱えていたので、実際、1つの業務の半分は自分ですることになります(もちろん、フォローはしてくれます)。
そんなこんなで、1年目から徹夜の日々が始まります。
全部初めての経験なので、まず、分からないことが分からない。次に、分からないことを調べるにも、どこに何が書いてあるのかが分からない。そして、書いてある内容が分からない…
こんな感じで、1年目のころはとにかく何をするにも時間がかかり、忙しい時は2徹とかが普通にありました。
そして極めつけに、2徹して3日目の夜、やっと落ち着いた…とフラフラの頭でホッとしていたところで、上司から「おいキラク、落ち着いたし、今日飲みいっちゃう!?」とか誘われます。
その上司とは仲良しで、なおかつ僕はお酒が好きなので勿論行くわけですが。
まぁ、ざっくりとこんな感じの1年間でした。
さて、そんなこんなで何とか1年目を無事に終え、2年目に突入です。
2年目は1年目より効率的にできるだろう、と思っていたのですが、そんな甘いもんじゃぁありませんよ!と言う事で、
1年目ではできない難しい案件を、2件同時に抱えることになりました。また、徹夜生活のはじまりです。
4年間の会社員生活を通して、この1年が最もキツかった。基本的にずっと忙しいのですが、一番忙しい時は50連勤くらいで、残業時間は200時間を軽く超えていました。
残業200時間を経験したことがない人のために、ざっくりとイメージを伝えると、こんな感じです。
例えば、月曜日から木曜日までは終電かタクシーで帰り、金曜日は深夜の3時まで仕事、土日は昼から出社して深夜まで仕事。これをずっと繰り返す感じ。
伝わりますかね?
残業を200時間もすると、頭がおかしくなってきます。あまり寝れない上に、起きている間はずっと仕事をしている感じですからね。
このころは、とにかく忙しかったので、自分を顧みる余裕も、周りを見わたす余裕もなかったのですが、後から聞いた話によれば、顔が死んでいたそうです。まぁ、当然ですね。
とまぁ、こんな感じの生活を数年間送ったわけです。
ですが、会社に対して不満は全くありませんでした。仕事はクッソ忙しかったですが、それはわかっていたことだし、何より、上司や同僚に恵まれたことが大きくて、厳しいながらも楽しく働いていました。
ですがその反面、
やっぱり休むって大事だな、とか
人はなぜ働くのか、とか
このまま仕事人間まっしぐらでいいのか、とか
死ぬほど働いて死ぬほど稼げればそれでいいのか俺、とか
日に日に体重が落ちてるけど、大丈夫か俺…とか。
まぁ、そんなことを同時に考えたりもしていました。
そしてある日、上記のような色々な考えを、オブラートに包んで上司にそれとなく相談することにしました。
上司の衝撃的な発言(その1)
上で書いたような諸々の思いを、休憩がてらたばこを吸っている時に、それとなく上司に話してみたときの会話が、以下になります。
キラク:「いやぁ、月200時間の残業ってのは思った以上にキツイですね!なんか、何のために仕事してるんだろう、とか色々と考えちゃってます」
上 司:「うーん、まぁ分からんでもないけどな。月200時間の残業って言うと、絶対無理って思うやろ?」
キラク:「はい、かなりキツいです」
上 司:「それがな、そうでもないねん」
キラク:「えっ?どういうことですか?」
上 司:「1ヶ月は時間に直すと720時間やろ?で、仮に1ヶ月の残業が200時間とすると、定時の150時間と合わせて350時間や」
キラク:「はい」
上 司:「720時間のうち350時間働くっていうことは、1ヶ月間毎日12時間働けば、12時間×30日=360時間やからクリアできる。休みはないけど、毎日12時間なら、仮に昼休みを1時間とったとしても、22時には会社を出れるやん。それなら睡眠時間も十分確保できるし、何とかなると思わへん?」
キラク:「確かに!毎日22時に退社できるなら、全然余裕ですね!」
上 司:「ほらみろ。俺なんか若いころは4ヶ月連勤とかあったで。俺らの時代に比べれば、今なんてだいぶましになったわ。HAHAHA」
キラク:「まじですか!?120連勤なら、僕の2.4倍じゃないですか!僕ももっと頑張らないとダメですね!」
上 司:「そうやで。グダグダ言ってる暇があったら、一日でも早く仕事を覚えるんや!」
キラク:「はい、上司!」
こうして、僕は洗脳されるのでした。
冷静に考えるとホントにおかしいんですが、こういう会社に所属していると、長時間労働が当たり前になっているため、
「今日は23時に退社できるし、飲みに行こうか!」とか
「2時間寝ればなんとかなる!」とか
「水曜日はノー残業デーで定時後に電話が来ないから、集中して残業ができるぞ!」とか
「水曜日はノー残業デーじゃなくて、超残業デーだね!」とか…
そういった思考回路になってくるんですね。
今では考えられないですが、日々の仕事に忙殺され、先輩や上司も自分以上に働いている環境にずっと身を置いていると「定時に帰れるなんてありえない」という思考が染みついてしまいます。
業界によらず、長時間労働に苦しんでいる人の多くは、同じような感じだと思います。
上司の衝撃的な発言(その2)
洗脳されてからさらに2年が経過し、僕は入社4年目になりました。昨年度のことですね。
3年目までは一番下っ端だったのですが、ついに僕にも後輩が出来ます。飲み会の幹事を卒業し、代わりに組合の幹部をなぜか任されます。
組合の幹部なので、あまりダラダラと仕事をするわけにはいきません。長時間労働を改善することが最大の課題ですから。また、後輩たちには自分のような思いはさせてはいけないと考えていたため、なるべく早く帰ることを心がけていました。
さすがに4年目にもなると、ある程度のことは経験しているので、それなりに効率的に仕事を進められるようになります。
そうして、繁忙期以外は毎日だいたい20:00くらいには会社を出ていました。
そんな日々を送っていると、当時僕の所属していた部の部長から声がかかります。
部 長:「キラク、ちょっといいか」
キラク:「はい、何ですか?」
部 長:「おまえ、最近暇そうやん(笑)でかい案件があるんやけど、もう一件やってくれへんか?」
キラク:「え!暇って言っても、僕が退社するのだいたい20:00ですよ!暇ではないですよ!」
部 長:「でも、去年とか一昨年に比べるとだいぶ楽やろ?処理能力も上がってるし」
キラク:「いや、それは無理ですよ!死んじゃいますよ!」
部 長:「人間そんな簡単に死なへんって。それに、俺らの時代に比べたら全然マシやで?」
キラク:「…」
なんとか断ったのですが、なにがショックって、僕とその部長は、それぞれ組合代表と会社代表として、一緒に労働環境改善について真剣に議論していたのです。それがなんだか裏切られたような感覚になりました。
この経験で、結局、上層部の人たちは、口では労働環境改善を目指すとか言っているけど、本心では全くそんなこと考えてないな、ということがはっきりしました。
先輩や後輩が鬱になる
そうこうしているうちに、僕の下についた子が鬱になり、
別の支店で勤務している、大学時代からの先輩も鬱になり…
同期の人たちも、少しずつ鬱になって退職していきました。
もはや、元気もりもりなのは僕とおじさん達だけです。
一番ショックだったのは、僕の下についた後輩が鬱になったから辞めたいと報告してきた時です。
あれだけ気を付けていたのに、なぜダメだったのか。なぜ、こうなるのか。どうすれば良かったのか…
色々と考えた結果、このような考えに達しました。
自分よりマシな環境を維持してあげれば大丈夫と思い込んでいたけれど、後輩にとってはそれでもかなりきつかった。そして、それに僕は気づいてあげられなかった。
つまり、僕は働き過ぎていたため、それよりマシだったとしても、それでもかなりのハードワークです。それに気付きませんでした。
このままでは、何かがダメな気がする。何がダメなのかは良く分からないけど、この状況を変えなければ…
それでもやりがいはあるし楽しかった
それでも、先ほども言った通り、仕事は楽しかったのです。もちろんつらいですが、辞めるという選択肢はありませんでした。
派閥のようなものもなかったし、皆さんにかわいがってもらっていたので、居心地が良いと僕は感じていました。給料も良かったですし。
では、なぜ辞めたのか
では、なぜ辞めたのか。きっかけは、意外にも単純な事でした。自分でも「こんなことで決めちゃったのか!」とびっくりします。
それは、飲み会がつまらなくなったからです。
ちょっと意味不明ですよね。でも、聞いてください。
飲み会は、僕にとってとても大切というか、楽しい場だったのです。
上司と飲みに行くことがほとんどだったのですが、最初のうちは、会社のこととか、上司の若いころの話とか、時には説教とか…
どこの会社でも似たようなものだと思いますが、上司と飲みに行くと、上記のような会話で埋め尽くされます。あまり面白くはないのですが、それでも最初は新鮮で、勉強になりました。
「へ~、昔はそんな感じだったのか!」とか
「ここをこうすればもっと早く仕事ができるのか」とか…
そんな風に思ってました。当時は意識高い系だったので。
ですが、何度も何度も飲みに行っていると、上司から出てくる会話の内容が自分の過去の話ばかりだと言う事に気が付きます。
「俺が若いころは、もっと忙しかったぜ」
「俺が新入社員のころは、会社の床で毎晩寝ていたぜ」
「俺が若いころは、上司と喧嘩ばっかりしていたぜ。それに比べて、今の若い奴らはおとなしすぎるぜ」
「俺が若いころに比べれば、今なんて全然マシになったぜ」
あぁ、この人たちは過去に生きてるんだな。過去の栄光を糧に今を生きているんだな。それにはまだちょっと若すぎるんじゃないかな。
そう思うようになりました。
「自分たちが如何に大変だったか。それに比べればお前たちは恵まれている。」
これが、どの上司からも確実に出てくるメッセージでした。そして、それ以外はあまり出てきませんでした。
将来こんなことがしたいとか、あんなことがしてみたいとか、こうなりたいとか、そういう未来の話は出ないんだな…こんな風にはなりたくないな。
そんな風に感じるようになってしまったのです。
ガキっぽいかもしれませんが、いくつになっても、夢や目標があるってかっこいいじゃないですか。そんな風に僕は思ってます。
そして極めつけは、気がつけば自分も後輩に同じような話をしていたことです。
もう、最悪だと思いました。飲み会の席で毎回「こんな風にはなりたくないな」と思いながら、同じく飲み会の席で、既にそうなっている自分に気づいてしまいました。
これはもうダメだと思い、なんの計画もないままに、僕は仕事を辞めました(そこからニート→留学)。
辞めたことを後悔しているか
後悔はまったくしていません。
収入はないし、貯金もあんまりないし、将来どうなるのか全く分からないけど、それでも、後悔はしていません。
不安はありますが、自分で選んだ道だし、とことん楽しんでやろうと思っています。
ただ、両親には申し訳ないと思っています。
大学院まで出してもらって、ぽんっと仕事を辞めてニートになってしまったので。なので、両親には絶対に恩返しをしたいと考えています。
5年以内に。
会社員の頃よりもうんと稼いで、贅沢をさせてあげたいと思っています。今はオーストラリアでブログ書いてますが。。
問題はどうやって稼ぐのか、ということですが、そこはまだ分かりません!ブログ書いてる場合じゃないかも!でも、なんとかします!
まとめ
さて、長々と書いてきましたが、結局何が言いたかったのかと言うと、自分でもよく分かりません。
ただ、もし、いま会社を辞めるか悩んでいる人がいるのだとしたら、辞める前に「自分はなぜ、その会社を辞めたいのか」と言う事をもう一度考えてみてほしいとは思ったりします。それは、辞めた後の後悔を減らすためです。
理由がしっかりしていないと「もっと頑張れたんじゃないか」とか「本当に辞めて大丈夫だったのか」とか「自分はダメだ」という風にふさぎ込んでしまいかねません。少しくらいの後悔は避けられないとしても、理由がしっかりしていれば「あの時はこうだったんだから、自分は正しい判断をしたんだ!」と考えなおすきっかけになります。
理由を自分の中できちんと整理できれば、その理由がどのようなものであっても、辞めれば良いと思います。
特に、長時間労働がつらくて、毎日へとへとでもう辞めたい、と考えている人は、すぐにでも辞めるか、もしくは休職するべきだと思います。
無理をしたらダメです。まだ壊れていないうちに、冷静に考えられるうちに、判断すべきです。心が壊れてしまうと、冷静な判断が出来なくなり、すべてをネガティブに考えるようになってしまいます。そして、どのような判断をしても、最後には自分を否定してしまいます。
それが、心が壊れると言う事だと思います。そしてそれは、自分では気が付きません。
そうなる前に、勇気を出してください。会社を辞めても、何とかなります。誰かが助けてくれます。
僕は自分がどうなるか分かりませんが、いまはイェイ!めっちゃホリデイ!って感じで毎日を過ごしています。
僕みたいにニートになることはあまりおすすめできませんが、今の会社が人生のすべてではありません。ちょっとゆっくりする、という選択肢もあります。
いい意味で、気楽にいきましょう。